今回は飲み物編としてお茶の代表選手である、緑茶を中心に少し深堀してみました。
先にお断りしておきますが、緑茶を調べた時点で、あまり意味なさそうだったので、紅茶は調べてません。
注)一定の要望がある場合は紅茶編もまとめていきます。
ERIの意見
最初に残念なお知らせですが、お茶関係は便秘解消に関する科学的根拠がNet上にはすくないので、お茶それ自体では、便秘解消に関してはの毒にも薬にもならない中途半端な印象を受けます。
誤解を恐れずに言ってしまえば、もうあなたが効くと思えば効くし、効かないと思えば効かない的な。
どちらかというと、緑茶=健康にイイ!みたいな、精神安定剤的作用が身体や腸にいいのかなと思います。
この心理的作用を医学業界でプラシーボ効果といいます。
実際に医者が科学的効果のないただの乳糖やデンプンを「便秘によく効く薬」だと偽って患者に飲ませると、実際に症状が和らいだり治ったりすることがあり、被験者のおよそ3分の1に効果が現われた例も。
この医学的根拠から言えるのは、微小な科学的な物理作用よりも、心の心理的作用、頭の中の情報空間での作用の方が物理的な体への科学的作用に勝るということ。
ある意味、信じるものは救われるのは全くのうそでもないということですね。
なのでお茶が良いと思っているあなたは、そのまま信じていて良いと思います。
目次はこちら
- 1 便秘解消飲み物編。お茶に含まれるカフェインが効く?→微妙。
- 2 便秘解消飲み物編。お茶に含まれるカテキンが効く?→効く!
- 3 便秘解消飲み物編。お茶に含まれるタンニンが効く?→微妙。
- 4 便秘解消飲み物編。お茶のカフェイン以外に注意すべき成分は?
- 5 便秘解消飲み物編。正しいお茶の飲み方ってあるの?
- 6 便秘解消飲み物編。普通のお茶を数回飲んだ方がいいのでは?
- 7 便秘解消飲み物編。ペットボトルのお茶は常温を選択しよう。
- 8 便秘解消飲み物編。お茶は少しずつ飲もう。
- 9 便秘解消飲み物編。効果的”っぽい”お茶って?都市伝説をバッサリやります!
- 10 便秘解消飲み物編。ビタミンCが含まれてるお茶って便秘解消に効果あるの?
- 11 便秘解消飲み物編。マグネシウムが含まれてるお茶って便秘解消に効果あるの?
- 12 便秘解消飲み物編。お茶でも緑茶、紅茶って効くの?成分の種類、即効性、食物繊維など。
便秘解消飲み物編。お茶に含まれるカフェインが効く?→微妙。
まず、カフェインについて調べてみました。
われわれの身体というものは神経によりコントロールされていますね。
その神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は日中活動するときに活発になり、副交感神経は夜、休息時に活発になる。
そしてカフェインは交換神経に作用します。
交感神経というのはアクセルであり、古代の人間でいうならば戦闘態勢を強めるもの。
例えるなら、よりエネルギーを燃焼させる方向ですね。
逆に副交感神経はエネルギーを取込む方向。
戦闘態勢時には「取込む」という機能は止めて、運動系の筋肉をはじめとしたエネルギーを燃焼させる臓器をメインに機能させないといけません。
ゆえに、胃や腸などの消化器は「戦闘態勢=交感神経が優位」になると摂り入れた食物を運んでいく「ぜん動運動」がうまく行われません。
腸が正しく働くためには、副交感神経がきちんと働いていることが大切であるため、カフェインの摂取は便秘に良くないのです。
しかし一方で、そのカフェインが良いんだ!という主張もあります。
米ジョージア・リージェント大学のサティシュ・ラオ博士によると、12人の被験者に、
- コーヒー
- カフェインレス コーヒー
- お湯
を飲んでもらい、食事をとった後の便意について調査したところ、コーヒーを飲んだ後の腸の収縮活動が、一番活発だったことが判明。お湯よりも60%、カフェイン抜きのコーヒーよりも23%も強かったという。
お湯より+60%は確かに良いけど、カフェインレスより+23%を、良いととるか、微妙ととるか。
また、被験者が12人しかいないのが、いかにもサンプル数少ない。
というわけで、どちらが正しいかは自分の身体で試すしかなさそうです。
便秘解消飲み物編。お茶に含まれるカフェインの適量とは。
一応摂取量の目安ですが、EFSA欧州食品安全機関によると1日400mg未満で1回の摂取量は200mg未満が良いとのこと。
そして「お茶は1日1杯にコントロールしているから大丈夫」と思っても、
他にコーヒー、紅茶、ウーロン茶、ジャスミン茶、コーラ、エナジードリングetcなどを複数飲んでしまうと、カフェインの過剰摂取につながります。
大体上記のドリンク類は50mg/1本程度なので、そこまで問題ないんですが、缶コーヒー(約190g)は1本に140mg程度含まれているものがあり、注意が必要ですね。
便秘解消飲み物編。お茶に含まれるカテキンが効く?→効く!
こちらは日本食品保蔵科学会の論文でいろいろと効果ありとされてまして、便秘解消の視点からは悪玉菌である、黄色ブドウ球菌やウェルシュ金、セレウス菌、ビブリオ菌、アエロモナス菌、プレシオモナス菌などを抑える効果があります。
そして、逆に善玉菌の乳酸桿菌やビフィズス菌などには影響なし。
それ以外の効果として、胃がん、インフルエンザ、血中コレステロール、血圧上昇、血糖上昇、酸化などに対する抑制作用が確認されいます。
いや、カテキンすごくないか?
この論文をはじめ、良い評判しかみないですね。カテキンは。
すいません、ERIはお茶を甘く見ていました。
カフェインを避けるために飲んでなかったんですよね。
(コーヒーはディカフェ派)
今後、お茶(緑茶)を取るようにします!。
便秘解消飲み物編。お茶に含まれるタンニンが効く?→微妙。
正直、タンニンとカテキンはほぼ一緒なので、効果はカテキンの項を見てください。
それで違いをざっくり説明するとこう! ↓↓↓
・タンニン:ポリフェノールの総称として使われる、渋み成分。
茶以外にも、柿や赤ワインで有名。
・カテキン:タンニンの一部。主に緑茶に含まれる。
一つ違うのは、タンニンには収斂作用といって粘膜を保護し、刺激からガードすることで、下痢止めの効果がある点がポイントです。
原理としては酸の刺激が伝わりにくくなり、蠕動運動量が低下する・・・と推測します。
ただ、どの程度の効果があるのかは不明ですので、効果の程はなんとも言えないとしておきます。
おまけで、カテキンとタンニンの家系図です。
モノマーが1個の塊。ポリマーはモノマーがいっぱいつながったもの。オリゴマーはその中間です。
便秘解消飲み物編。お茶のカフェイン以外に注意すべき成分は?
先に説明したカフェインには体内から水分を排出しようとする利尿作用があります。
身体から水分が排出されると、腸は水分を補給しようとがんばりますので、便秘につながります。
また、上記の作用はカリウムでも発生し、日本茶にはカリウムが含まれています。
※ただし、どの程度の作用があるかは不明です。引き続き調査していきます。
また、市販の「おなかすっきり茶」のような健康茶には、下剤成分のセンノシドが含まれているものがありますので、こちらも別の意味で注意しましょう。
※材料名にキャンドルブッシュ、ゴールデンキャンドル、ハネセンナと表示があるもの。
国民生活センターによると、健康茶の15銘柄をチェックしたら、全ての銘柄からセンノシドが検出され、さらに約半数の銘柄は、カップに2、3杯の量を飲むことで医療用医薬品と同程度の量のセンノシドを摂取する可能性があるらしく。
これら健康茶の飲みすぎには注意しましょう。
最後にいうまでもありませんが、一般的なお茶に含まれる食物繊維はほぼ0です。
(難消化性デキストリンが添加されているお茶は別として)
便秘解消飲み物編。正しいお茶の飲み方ってあるの?
目覚めに水を飲むと良いという話を聞きますが、実際、起床時にコップ1杯程度の水を飲むと、腸が目覚めを感じてぜん動を開始するので、便秘の改善につながります。
が、それは健康の人の場合。
腸の働きが弱い人はそもそも、身体を冷やすものはNG。
冷たい水を飲むと胃腸が冷えて、より腸の動きが鈍くなったり。
胃で暖まるから大丈夫派の人は止めませんが、このようなリスクがありますってだけ覚えてください。
おすすめは、白湯(さゆ)ですが、それが無理なら常温水を飲んで、腸のぜん動運動を促しましょう。
便秘解消飲み物編。普通のお茶を数回飲んだ方がいいのでは?
調査中に、「効率よく栄養素を摂取するにあたって濃い茶を1日1回飲みましょう」という記事を見かけました。
理由は(何かの)効率が良いのと、1日に摂取するお茶の量を減らせるらしく。
効率が良いというのは、飲む回数=手間がかからないという意味であれば直接関係ありませんし、腸への影響という意味では、薄めを継続的に与えたほうが良いと思いますね。
なぜなら先に取り上げた論文では、そんなに濃くしなくても十分に抗菌効果などがあると報告されてますし、一度濃い茶が通過してしまえば、悪玉菌がまた増殖をはじめますから、できるだけ腸内の全域に常時お茶の成分があったほうがよいですね。
そして吸収効率という意味では濃いほうが良いかもしれませんが、根拠はありませんし、1日に摂取するお茶の量が減らせるという根拠もありませんでしたので。
便秘解消飲み物編。ペットボトルのお茶は常温を選択しよう。
繰り返しますが、冷えは一般的に胃腸には良くないので、お茶に限らず、つめたい飲み物全般は控えましょうね。
普通に急須で入れる熱いお茶でいいので、普通にちびちび飲みましょう。
飲む時間を短縮したい人は、濃い目に入れた熱いお茶を冷水で割るといいですね。
そして、コンビニなどに売っている冷えたお茶は室内に放置して常温にしてから飲みましょう。
便秘解消飲み物編。お茶は少しずつ飲もう。
調査中に
「お茶を一気にゴクゴクと飲んでしまうと、腸がビックリしてしまいます。
ビックリしてしまうことで、腸に余分な刺激を与えてしまいます。
便秘を解消する場合、この”余分な刺激”はご法度です!
腸をいたわるようにやさしくしてあげるのがポイントなのです。」
という記事を見かけました。
要約すると、「腸をいたわるために少しずつ飲もう」ということです。
これ自体に異論はありませんが、なぜ、少しずつ飲むのが腸をいたわることになるのか、肝心の説明がありません。
ここでは、その理由を説明します。
インド大陸の伝統的医学である、アーユルヴェーダでは白湯を飲むのが良いとされています。
ちなみにアーユルヴェーダとは、西洋医学のように病気の症状を対処的部分的にに取り除くのではなく、全身をより健康に、長寿や若さを保つことを目的とした予防医学ですね。
で、アーユルヴェーダ流の白湯の飲み方ですが、土瓶で沸騰させたお湯を少しおいて、80℃くらいに冷まし、1回にコップ一杯くらいの量を10分ぐらいかけて少しずつ飲むのが良いとされています。
これはまさに自宅でおばあちゃんがやっているお茶の飲み方ですね。
やはり、いいものは良いというか、地域が変わっても、自然と正しい形になるんでしょう。
というわけで繰り返しますが、結局普通のお茶を普通に飲むのが一番ってことです。
便秘解消飲み物編。効果的”っぽい”お茶って?都市伝説をバッサリやります!
食物繊維が豊富なお茶って便秘解消に効果あるの?
あるサイトでは、
オススメなのは”食物繊維をいっぱい含んでいるお茶で、
例えば、ごぼう茶、黒豆茶、ギムネマ茶が良い。
と言っている。
そして、「食物繊維の中でも水溶性がオススメ」らしいが、単にオススメってだけで、根拠も、これらのお茶との関係性もない。
つまり何の説明もしていない事実がわかった。。
というわけで、本当はどうなのか調べてみました。
某メーカーのごぼう茶QAよると・・・
Q:どのくらい食物繊維が含まれていますか?
A:ティーバッグ1包に150ccのお湯を注いだ場合、100g中0.2gほど含まれております。
煮出した場合、100g中0.1gほど含まれております。
さらに茶殻(不溶性食物繊維)をとればより多く摂取できます。
0.2gというのはもう誤差ですよね。
もちろん茶殻なんて食べないし。
というわけで、ごぼう茶の便秘解消が食物繊維が理由であれば無意味。
黒豆茶も納豆食べたほうが食物繊維とれるし。
ギムネマ茶は糖質の吸収を阻害するから、その分、善玉菌のエサが増え、善玉菌も増えるという理論。
ちょっとこれは根拠が見つかんなかったんだけど、見つからないからこそ、間違いとは言えないかな。
ただ、そこまでしてギムネマ茶取りたいですか?って話。
ギムネマLOVEな人はいいと思いますが、単に便秘解消目的だったら、乳酸菌飲料飲みましょう。
便秘解消飲み物編。ビタミンCが含まれてるお茶って便秘解消に効果あるの?
緑茶、ローズヒップ、ハイビスカスティーなどにはビタミンCが含まれていて、そのビタミンCが便秘解消にいいんだ!という理論。
- ビタミンCは善玉菌である乳酸菌のエサとなり、乳酸菌が増える。
- ビタミンCは抗酸化作用があるから、腸が老化しない。
だそうだが、もうこれが本当かどうかは各自判断していただくとして、仮に本当だとしても、別にお茶である必要性ないでしょ(汗)。
便秘解消飲み物編。マグネシウムが含まれてるお茶って便秘解消に効果あるの?
日本食品標準成分表(2010)によるとですね、緑茶の茶葉10gを90℃のお湯430mlで1分おいてから淹れた緑茶の場合で、マグネシウムが2mgですよ。ボルヴィック500mlでも4mgなんですけど。
ちなみに、ボルヴィックでお茶を入れれば6mgだ!と気づいた人はさすがです(何が?)
杜仲茶も、 100g中268mgというデータがあるものの、これは茶葉の段階であり、この数字というのは、緑茶と大差なし。
だから、茶葉を食べるなら悪くないと思われるけど、普通食べないでしょうし、正直そんな大差ないならおなじみの入手性の良い、緑茶でいいんじゃないですかね。。。
便秘解消飲み物編。お茶でも緑茶、紅茶って効くの?成分の種類、即効性、食物繊維など。
以上、さまざまお茶にまつわる情報を分析してみましたが、やはり、お茶関係は便秘解消に関する科学的根拠がすくないですね。
つまり、お茶それ自体では、便秘解消に関しては毒にも薬にもならないということ。
利尿作用におしっこが出やすくなるので、便秘というよりデトックス向けにいい感じがしますね。
カテキンの抗ガン作用など含め、身体の環境を良くするという全体的な効果という点において。
以上、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。