いつもの慢性便秘ならいざ知らず、急に2,3日便がでなくなったら不安になるかと思います。

単にストレスが原因だったら大事には至りませんが、全ての原因がストレスと考えるのは危険です。

重大な理由の可能性があれば、病院でお医者さんにかかるべき。

今回はおなじみのストレスを含め、便秘の原因について調べてみました。

そしてそれらの原因と便秘解消によいといわれる、食物繊維や水分との関係も調べましたので、ぜひご一読くださいね。

便秘解消のためにまずは症状と原因をチェックしよう。

便秘の原因にはどんな種類があるのか。大きく3つあります。

便秘の原因1つ目:機能性(の便秘)

いわゆる一般的に便秘といったらこちらの便秘ではないでしょうか。

生活習慣やストレス、老化により大腸、あるいは直腸&肛門の動き=機能が悪くなることが原因です。

機能性便秘は多くの人に関係するものなので、さらに深堀りしてみましょう。

機能性便秘はさらに3種類に分類されます。

1-1 弛緩(しかん)性便秘

水分を吸収する大腸で問題が発生するケースです。

大腸は広がったり、狭まったりして、ヨイショヨイショと食べ物を先へ先へと送ります。

牛の乳搾りのイメージですね。

これをぜん動運動といいますが、この運動をするためには腸の筋力が必要です。

老化により筋力が落ちてくると、ぜん動運動が弱くなるため、大腸を通過するのに時間がかかります。

また、筋力があっても、食べ物自体がちょっとしかなく腸の内部がスカスカだと、ヨイショヨイショしても、空回りして先に送り出せません。

例えば歯磨き粉は満タンのときにはちょっとチューブを押せば簡単に中身を出すことができますが、中身が空になるにつれて、チューブをしごくために力を使いますね。

腸は手でしごくレベルではペッタンコになりませから、中身は出てきません。

そして最後は、食事のタイミング自体が不規則だったりするとよくありません。

いつもはヨイショヨイショしない時間帯に食べ物が大腸にとどまると余計に水分を吸い取ってカチカチになっちゃいます。

まとめ:弛緩性便秘とは「ぜん動運動の筋力低下」、「食べ物の不足」、「不規則な食事が原因」の便秘です。

1-2 痙攣(けいれん)性

大腸のぜん動運動に規則性、連続性がなくなり、大腸を通過する時間が長くなる便秘のケースです。

通常はリズミカルに大きくヨイショヨイショするんですが、

ヨイショの間に休憩を挟んだり、ヨイ・・・ヨイみたいな弱い動きになってしまう状況ですね。

ストレスが主な原因と考えられているようです。

1-3 直腸性

便は大腸→直腸→肛門(外へ)の順に通過していきます。

大腸で処理が終ると、便は直腸ゾーンに入ります。

そうすると、直腸が「便が入った!」と感じることで、便意が発生します。

ここでトイレに行って、肛門を開くと便が外に出るわけですね。

しかし、この便意を我慢していると、直腸のセンサーがサボり始めるわけです。

「どうせ知らせても、意味ないんでしょ?」

と直腸が考えるか不明ですが、便意が感じにくくなります。

女性に多いと言われます。

便秘の原因の種類:器質性

器質ってそもそも何?という話ですが、臓器などの形態上(解剖学上)の性質を言います。

平たくいうと、物質的・物理的に異常があるケース。

大腸がんや潰瘍性大腸炎やクーロン病(炎症が大腸以外にも発生する病気)により、大腸の組織が変化することで、便が途中で詰まります。

女性の場合は直腸の一部が膣の方に膨らんでしまい、そこに便が詰まる直腸瘤がこちらに含まれます。

便秘の原因の種類:症候性

全身の病気が原因となり、そのとばっちりで大腸の動きが悪くなるケースです。

一例として、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症が原因になります。

どちらも女性に多いです。

また、女性といえば、ホルモンの働きも忘れてはいけません。

「黄体ホルモン」はからだに水分や塩分を貯める作用があり、便の水分吸収が促進され便が硬くなります。

それ以外にも、妊娠時に流産しないように子宮の筋肉の収縮を抑制するはたらきもあり、それが腸にも影響してぜん動運動が低下したり。

また、月経の前や妊娠初期には「黄体ホルモン」が多く分泌されるため便秘になりやすかったりします。

このように、黄体ホルモンの影響も少なくないということですね。

便秘の原因の種類:薬剤性

他の病気の治療薬が原因となるケース。

抗うつ薬 やぜん息や頻尿、パーキンソン病、咳止め薬などは大腸のぜん動運動を抑える副作用があります。
 
これらの薬の副作用によって、便秘になるんですね。

便秘の原因と食物繊維や水分の関係をまとめると?

以上、原因を説明してきましたが、これらをまとめてみましょう。

  1.  直腸のセンサーの機能低下
  2.  大腸のぜん動運動の弱まり
  3.  食事の量や水分の不足
  4.  病気で腸が狭くなったり、炎症等で物理的な問題

この中で3.が原因の場合は、十分な便が作られず、大腸が空回りしていますから、ここでの食物繊維や水分補給が有効でしょう。

しかし、それ以外の原因については食物繊維や水分補給は直接的に効果がなさそうです。

注)もちろん、だからといって食物繊維や水分をとらなくていい訳じゃありませんね。

便秘解消には食物繊維や水分補給と短絡的に考えてがちですが、それは大腸をはじめとして身体の側に問題がない場合

そもそも身体側の問題であれば、必要十分な食べ物・飲み物を摂取したところで根本的な解決にはなりません

【まとめ】便秘解消には原因を知ることが大事。食物繊維と水分の関係など。

以上、原因をまとめて見ましたが、「たかが便秘」と甘くみていると、症状が余計ひどくなり、痔や、脱肛、糞便塞栓症などの、合併症に発展します。

こうなるとますます排便がつらくなり、結果として便秘は治りにくくなります。

便秘は我慢できるからこそ、悪化や慢性化しがち。

一度そういう状態になると、それが当たり前になってしまい、健康でスッキリしていたころを忘れてしまうのが人間という生き物ですね。

とはいえ何かきっかけが無いと、病院には行かないもの。

この記事との出会いをきっかけとして、話を聞くだけという軽い気持ちで、専門家のいる医療機関に行って見てはいかがでしょうか。

それでは、今回はこのあたりで。

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