一般的に女性は便秘にかかりやすいと言いますが、実際なぜなんでしょうね。
世の中には、・・・
「便秘になりやすいというのはキチンと食事をしないでお菓子とかばっかり食べてる連中だろう」
「科学的に言うと便秘の人は恋をしていない。恋をしている人は腸が活発に動くので便秘にならない」
など、なんだか怪しい説もあります。
しかし実際のところ、便秘薬なんかは女性向けのCMが多かったりするわけで、生物学的な性別の差があるんでしょう。
今回は女性特有の便秘の理由や便秘解消法などを探ってみました。
女性特有の便秘と理由とは?便秘解消のためにはまず原因をしっかり確認。
女性に特有の便秘になる原因は大きく5つあります。
女性に特有の便秘になる原因① 筋力が弱い
女性が男性よりは筋力が低いというのは一般的にご理解できる話です。
では、筋力が低いと何につながるの?という話ですが、実は腹筋が排便に関係するんですね。
腹筋が弱いと、排便時にいきむときに力が入らないとか、
あるいは腹筋が弱いことで、腸が下がってしまって腸の形がいびつになり、
ぜん動運動により便を出口に押し出しにくいという理由です。
女性に特有の便秘になる原因② 女性は男性より腸が長い
日本大腸肛門病会誌「日本人大腸の長さと内径に関するX線学的検討」によると、
大腸の長さは男性170cmに対し女性180cmということで、女性の方がやや長いみたいでした。
ということは、より水分が吸収され、便が硬くなりやすいとも言えます。
女性に特有の便秘になる原因③ 女性特有のホルモンの分泌
女性ホルモンといえば、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」。
このプロゲステロンは子宮の収縮をおさえる働きがありますが、一方で胃や腸などの筋肉の収縮も抑えられますので
腸のぜん動運動が鈍くなり、便秘を引き起こすんですね。
女性に特有の便秘になる原因④ ダイエット
ダイエットをしている女性も、食べる量が少ないので便秘になりやすいです。
マヨネーズの容器をイメージしてみましょう。
買ったばかりの満タンのマヨネーズの容器はちょっと押して圧をかけるだけで、中身を簡単に出すことができます。
一方で空に近いマヨネーズの容器から中身を出すのは一苦労ですよね。
あれと一緒で、腸の中も満タンに近いほうが中身を動かすには簡単なんです。
だからダイエットでそもそもの食べ物のかさが少ないと、便秘になりやすいということ。
最近では糖質制限ダイエット特有の問題も。
ご飯の代わりに肉をたくさん食べるようになると、悪玉菌が増えて腸の働きが悪くなることが多いです。
腸内環境のためにシッカリ野菜も食べる必要があります。
女性に特有の便秘になる原因⑤ ストレス
女性の方が男性と比べて、何かと時間がかかります。
特に朝は朝ごはんの準備やお化粧で時間がなくなりがちですから、
なかなかトイレに行けないということもあるのではないでしょうか。
また、会社に行くと、男性と比べてウェットな人間付き合いが必要な気もします。
こんな環境ですから、排便のリズムをキープするのはなかなか難しい。
朝、便意を我慢すると、それが癖になり、便意を感じにくくなります。
結果として便がたまっていってしまいます。
以上、原因を確認したところで対策に進みましょう。
女性特有の便秘の対策。便秘解消のためには薬?食べ物?それとも体操?。
便秘解消法① 薬
まず、重症な場合は即効性が必要ですから、薬が使われます。
もちろん生活習慣や食生活も見直しますが。
薬は素人が使うとより悪化する場合もありますので、くれぐれも病院に行って先生に相談しましょう。
なお、病院に行く人のために、参考までに、こんなことするかも?という一例を説明しておきます。
まず肛門の手前の直腸に便が慢性的にたまっている場合は浣腸や座薬で便を外に出す必要があります。
すごく硬い場合は摘便といって、物理的に肛門からかき出すことになります。
特に女性の場合は直腸の手前に膣がありますから、そこに直腸が膨らんで便がたまってしまうこともあります。
これを直腸瘤といいます。
こうなると、なかなか力を入れて頑張っても出てきませんので、一度病院で見てもらった方が良いです。
直腸に便がたまっていて、かき出しされるのは恥ずかしいかと思うかもしれませんが大丈夫です。
相手は芸能人の握手会並みにこれまで何人も対応していますから、あなたのことなどすぐに忘れます。
ご安心ください。
そしてこのように一回出しただけでは、直腸の便意を感じるセンサーがまだ治ってないので、
また直腸に便がたまってしまいます。
直腸自体も緩くなってますし。
ちなみに正常時は直腸は空っぽで、便が直腸に入り、便センサーが反応することによって便意が発生され、排便となります。
この、直腸の便センサーが復活するまでは、薬で強制的に排便するようにします。
センサーが復活すれば、便意→排便という流れができますので、
ここまでくると出口はOKですから、あとは食事療法や生活習慣を整えて、大腸の環境を改善していくだけです。
まず、出口から。
出口がふさがっていると途中を何しても意味がないですからね。
便秘解消法② おなかのマッサージ
一般的によく言われるのが腸に沿って圧力をかける方法ですね。
まず、姿勢ですが、立ったままでも良いですが、仰向けで膝を立てるとよりGoodです。
指先は閉じて、おへそを中心に、下から「の」の字を書くように軽く押しながらなぞります。
おなかに力を入れて、便が腸を動いていくイメージを持ちながら手を動かしていきます。
硬い部分はピンポイントで押してみましょう。
10回程度行うといいみたいです。
便秘解消法③ 腹式呼吸
案外知られていませんが、呼吸というものは毎日当たり前にやっているからこそ、正しい呼吸をしたときの効果は絶大です。
正しい呼吸とは鼻呼吸+腹式。
特に女性の場合は胸式呼吸が多いと言われますので、これを気に呼吸法をマスターしてみてはいかがでしょうか。
まず、仰向けになり、体全体の力を抜き、リラックスします。
右手を胸に乗せます。
これは胸を使っていないかチェックするためです。
左手でお腹(おへそのあたり)に乗せます ⇒ 腹式呼吸ができているか確認します。
そして、お腹に風船があるとイメージして準備完了。
最初にゆっくり息を吐き、お腹を凹ませます。
10秒以上かけてしっかり息を吐いていきましょう。
空気を全部吐き切ったらゆっくり息を吸いこみ、お腹を膨らませます。
こちらも10秒以上かけてください。風船を膨らますイメージです。
どちらもちょっとだけ苦しくなるところまでやりましょう。
ただし、無理はしないでください。
頭では呼吸のことだけ考えましょう。
なお、できれば誰かに見てもらって、胸呼吸になっていないか確認してもらうと良いです。
便秘解消法④ 食物繊維
これは言うまでもありませんが、食物繊維は現代人は絶対的に足りてません。
おすすめですが、
糖質ダイエット中でなければ、玄米なり押し麦なりを自炊する。
これら玄米、押し麦などは、週末にまとめて炊いて、小分けにして冷凍すると使い勝手が良いです。
そして糖質ダイエット中であれば、サイリウム(ハスク)、あるいはデキストリンをシェイクして飲む。
をお勧めします。
少なくとも朝と夜は飲めるはずです。1分あれば飲めますから。
ちなみに、なんでも取りすぎは良くなくて、食物繊維も取りすぎは便秘を悪化させますのでご注意を。
(慢性便秘症診断ハンドブック2017より)
便秘解消法⑤ オリゴ糖、乳酸菌
いわゆる善玉菌というやつですね。
プロバイオティクスというキーワードも使われますが。
オリゴ糖はその善玉菌のエサとなるものです。
エサがあれば、勝手に腸内で善玉菌が増えるという仕組み。
こちらも、食物繊維と同じく、効果があるとされています。
便秘解消法⑥ ツボ
ツボも便秘に良いとされています。
主なツボを3個ピックアップしています。
どのツボもイタ気持ちいい程度の強さで、左右30回ずつ押しましょう。
もちろん、30回と言わず、1回でもいいわけです。
毎日1回なら続けられそうですよね。
続けることが大事ですからね。
注)画像は「せんねん灸公式チャンネル」から。各15秒くらい。
ツボ① 合谷(ごうこく)
親指と人さし指の骨がまじわったところから、やや人さし指よりのへこみが合谷になります。
ツボ② 神門(しんもん)
手首の横じわの小指側の少しくぼんだ場所にあるツボ。
ツボ③ 三陰交(さんいんこう)
内くるぶしのいちばん高いところに小指をおき、指幅4本そろえて、人さし指があたっているところが三陰交。
便秘解消法⑦ 体操
毎日少しずつでもいいので、取り入れてみましょう。
ロート製薬株式会社の公式HPからいくつかピックアップしてみました。
基本的にどれも腹筋に効くようになっていて、腸内の血流のUPによる腸のぜん動の維持に役立ちそうですね。
バタ足体操
うつ伏せに寝て、バタ足をするように足を上下する。
膝を伸ばして行う。
反動をつけずに、上と下の位置でいったん停止させるイメージで。
10回程度実施。
足上げ体操
仰向けに寝て、両手はまっすぐ両脇に置く。手の平は地面につける。
膝を曲げないように伸ばしたまま、約30㎝ほど足を上げ、5~10秒程度静止。
3~5回程度実施。
コの字起き体操
まず、仰向きに寝てリラックス。
両手と両足を天井を指すように上に伸ばす。
横から見てUの字のまま約3秒間キープ。
その後、その体制のまま息を吐きながら、反動を付け、コの字に起き上がる。
5回程度。
女性特有の便秘の原因と対策のまとめ
というわけで、今回は女性が便秘になる原因と便秘解消法について、調査してみました。
まとめると
- 女性は筋力や腸の長さ、ホルモン、ダイエットが原因で便秘になりやすい
- 解消法としては、マッサージや呼吸、食物繊維やオリゴ糖/乳酸菌、ツボ押しや体操が良い
ということでした。
便秘はつらくて苦しい。
だから一刻も早く解消したいという方も多いかと思います。
かなり悪化している場合は、確実に便秘外来等に行って治療した方が良いですが、
そこまででなければ、食生活の改善や運動で健康の維持に努めましょう。
また、水分は便秘に限らず大切ですが、常温や白湯をのみ、体を温めることも大事です。
それでは本日はこの辺りで。